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CD・レコードコレクションの勧め

何でも聴ける多彩さ

クラシック音楽に興味をもった、これからいろいろな曲を聴いてみようという時、 手っ取り早く役に立つのは、レコード(CD)である。コンサート、放送、テレビなどによ る楽しみも無くはないけれど、時間が限定され、とり上げられる曲目の範囲(レパート リー)という点からいえば、それらはとてもレコードの比ではない。何よりも好きな時に再 生でき、どんな曲でも聴けるという点で、レコードはぶ日楽の宝庫”。居ながらにコンサー トーホールを所有したようなものである。「はじめに」でも書いたが、かつてレコードは、一枚が月給の四分の一にも相当する値段。現在でいえば、四、五万円にも該当する高価な娯楽品であった。それが故にコーヒー一 杯でクラシック音楽を心ゆくまで堪能できた「名曲喫茶」の存在意義は、当時の人々にとっ て今とは比べものにならないほど大きなものだったのである。収められた曲目や演奏家もまた現在ほどには広範囲・多彩とはいえなかっただろう。しかし数十年を経た今、その価格は 相対的に驚くほどに下落し、内容的にも音楽の最初期から二一世紀目前の昨日今日まで、考 えられるあらゆる種類の作品が、演奏され録音されるようになった。とりわけバロック以 前、ルネッサンス時代や中世、グレゴリオ聖歌までさかのぼる初期のクラシック。イタリア ードイツーフランスなどの先進国以外の作品。各国の豊富な民俗音楽。埋もれていた作曲家 たちの作品。二世紀の音楽などは、かつてのファンでもなかなか味わえなかったものであ そればかりではない。こうした作品を紹介するレコードの企画もまた、単なる曲目と演奏 という形にとどまらず、聴き手のTPO(時・場所・状況)に合わせたさまざまな形がとら れて、より選びやすい、生活に密着したものとなっている。こうした便利さを前にして、興 味をもった人間なら何で黙っていていいことがあるだろう。考えるまでもなく積極的に利用 する。日常生活にとり入れる。豊かな音楽ライフを演出するこれをすぐにも始めてみて は、どうであろうか。 それには、どんな形で始めたらよいか、どこから始めるか。特に心がけること・注意する ことがあるかどうか。この章では、そんなレコード・収集(コレクション)をめぐるいくつ かのポイントについて、思いつくままにご紹介してみようかと思う。

居ながらに音楽会の気分

レコードをコレクションすることの楽しみは、何といっても気に入った曲、好きな演奏 を、いつでも、何回でも繰り返して聴けることである。そしてまた、それを聴く場所や雰囲 気も、堅苦しくわざわざ出かけていかなければならない音楽ホールに縛られず、くつろいだ 自宅や、気の合った友だちとの集まりなどに勝手に変えることができる。つまり、窮屈さか ら開放されてのびのびと聴けることだろう。 そればかりではなく、レコード=記録する、という本来の意味からすれば、聴ける筈もな かった古い時代の演奏家や、行かなければ聴けない遠い国の演奏家たちをも、目前に引き寄 せて聴くことができる。記録し保存し、回顧したり比較できるという点でも、その楽しさ、 便利さははかり知れない。 いうまでもなくレコードは、発すればたちまちに消えていってしまう音や音楽を保存し再 生すべく考え出された録音再生物である。エジソン(一八四七~一九三一、アメリカ)によ る蓄音機の発明(一八七七年)以来、これは蝋管(一八八六)、平円盤(一八八九)、電気吹 込盤(一九二四)、LP盤(一九四八)、ステレオLP盤(一九五七)を経てCD(コンパク トーディスク。一九七九~)全盛の現在へと続いているが、当然のことにそれは「ナマ演奏と同じ音へ」という音質改良が何よりも基本にある。今後もまだ、そうした発展は止むこと なく続くのかもしれないとしても、さきのLP、SP盤を知っている人には、現在のCDの 音質は、雑音もなく、再生音域の広さも驚異的なもの。聴きようによってはナマと錯覚しそ うだといっても、決してオーバーではないかもしれない。こうした音質的なすばらしさに、 さきの充実した曲目・演奏のレパートリーを合わせると、レコードには何が出来るか。その 答えは自ずと明瞭であるCDを使えば、どんな音楽会も開くことが出来る。実際のコン サートでは不可能な夢のようなプログラムによるものでも、ということである。 コレクションには「あれこれと集めること。そのことが楽しい」とか、「他人の持ってい ない珍品を持つことがうれしい」という人もいるようだけれど、私としては何のためにコレ クションをするかといわれれば、ナマの音楽会(コンサート)気分であれこれと聴いてみた い。そのためのネタをそろえたい(実際のコンサートでは、極めて隕られたものしか聴けな いから)を基本にしたい、というのが本音である。便利さこの上ないレコードではあるけれ ど、気軽さ、気楽さにおぼれると、単に聴き散らすだけ、単なる消耗品になってしまう。そ ういう危険もあるかもしれないとも思っているのである。

何から集めるか

コレクションの原点は、何かのきっかけで聴いた作品なり演奏なりが忘れられず、「もう 一度、聴いてみたい」「所有し、好きな時に自由に聴いてみたい」という願望である。その 意味では、たった一枚でも成り立つわけだが、欲望というのは際限がない。最初はそうで も、やがては二枚になり、五枚になり、一枚、二枚と増やしていかなければおさまらな いのが、大方のコレクターである。そして、このようにして集めたレコードをある段階で振 hソ返ってみると、おのずからその人の好みや性格、大げさないい方をするなら人格までが現 れている、というのが本来の姿ではなかろうか。 つまり、好きになった、所有して何回も聴いてみたいという純粋な気持ちさえあれ ば、何をどのように集めるかはその人の自由。他人があれこれと口をはさむことではないと 思う。しかしそういってしまっては、膨大なクラシック曲を前にして戸惑っている大には、 何のアドバイスにもならない。そこで決して他大のいう通りにするものではありませんよ、 という前提を承知していただいたうえで、「こんな入り方がある」「こんな展望を頭に描きな がらやってみては?」というアイディアを二、三ご紹介してみると。 例えば、曲目に興味をもった場合、「エリーゼのために」という曲を気に入ったとした ら、これを発展させて同じようなピアノの小品を集めてみる。あるいはピアノ以外にも広げ て「小品全般」を集めてみる方法が考えられるかもしれない。それともピアノという楽器にこだわり、小品からソナタ、協奏曲といった大曲まで、その代表曲をひと通り集めてみる、 という人がいても、おかしくないだろう。もちろんその他の楽器についても同様である。ま た、ちょっと発想を変えて、レコード化されにくい珍曲とか、原曲が失われた復元曲、編曲 によって有名になった曲、大作曲家が書いた最初の作曲…など要するに珍曲・秘曲を専門 に、などという方法も考えられなくはないだろう。 一方、作曲家に興味をもった場合には、当の作曲家の代表曲、全作品、隠れた作品を集め てみる。あるいは前後する作曲家、埋もれた作曲家にもついでに広げてみる。変人、奇人な どの作品を集めてみる…など。 演奏に興味をもった場合には、やはり感動を与えてくれた演奏家・気に入った演奏家のい ろいろな演奏を集めるのはもちろん、ある曲を中心にしたさまざまな人の演奏を集める。物 故した往年の大家たちの演奏を集める、変わった演奏(家)を追いかけるなど、同じよ うな視点からのコレクションが考えられるだろう。

長く付き合うつもりで

趣味というのは、長く付き合ってこそ、そういえるもの。一時期に集中していつの間にか やめてしまうというのでは「趣味」とはいえない。CD・レコードコレクションも、金のあるときだけ買う。一時期にまとめて買うというのは、いかにも不安定で挫折することが多い。そのときに買っておかないと二度と手に入らないというものも一方にはあるわけだが、個々の盤についてはともかく、コレクションそのものは一生続けるつもりでじっくりと、腰 を落ちつけてやってみたいものである。 それには、。好きだという純粋な欲求をベースにしながらも、五年、一年と続けてみ たときに、何らかの主義主張が読みとれるような形、単に数が増えたというだけではなく、 好みなり傾向なりコレクターの姿・人格が表れるような形を、ばく然とではあっても想い描 きながら始めてみてはどうであろうか。例えば、あれこれとひと通りは集めてみる。しかし 中心は交響曲にし、いずれは主要な交響曲は全部そろえてやろうとか、どんな曲を集めるに せよ、演奏は日本人演奏家によるものを第一に考えてみる。そして年後には彼らの演奏 の一大コレクションができるような方向でやってみよう。あるいは指揮者やピアニスト、 ヴァイオリュストなど、名だたる演奏家を全部そろえよう。古楽器による演奏を集めよう。 二世紀の音楽を専門に集めよう。女流演奏家を専門に、珍曲ばかりを…とまあ、コレク ションにもその人ならではの個性があっていいと思うのである。 実際、私たちのまわりにいるマニア、コレクターと話をしてみると、ばく然と集めている 人というのは少なく、大抵何らかの形を目標としていたり、偏っているのが普通である。極端な場合には、レコード会社や放送局顔負けの一大コレクションをしている人がいて、彼ら のところへは、保存盤を失くしたレコード会社や放送局が、わざわざ借りにくることが珍し くないという。そうなるともう、社会的にも価値のある、やめられないコレクション。満足 度もパーセントといったところであろう。

自分の好みを大切に

ひと昔前は、レコード録音をする演奏家といえば、コンサートを通して一定の評判を獲得 した、いわゆる一流の演奏家に隕られていたものであった。数にしてもそれほど多くはな かったから、私たちレコードーフアンにしてもまあ覚えやすく、その実力や評価も比較的容 易に知ることができた。しかし現在のレコード界は、がらりと違う。だれでもとはいわないまでも、実績にこだわ らず製作者側がいいと思えば大抵の演奏家が録音レコードを出す。その結果、市場には置き きれぬくらいのCD、レコードが氾濫し、聴き手、購入者としては何がどうなっているかも わからぬままに、レコード選びをしなければならないという、はなはだ厄介な状況が生み出 されてしまうようになった。 もちろん、それでは困るからと各種の情報誌が手を変え品を変え案内をしてくれてはいるけれど、しかしそれとてもつまりは他人による評価であり案内である。何が正しいかの正解がなく、個々人の感性によって聴かれる演奏であることを考えると、大変ではあるが、やは りレコード選びは自分自身の耳で確かめ、気に入ったものを選ぶという方針を貫いた方がよ さそう。情報誌のそれは、あくまでも参考にとどめておいた方がいいようである。 こんなことをいうのは、実は前項での「長期的な方向」は固めているものの、個々のレ コード選びについては、「誰の演奏した盤を購入したらいいのですか」という人が、非常に 多いからである。本書では再三ふれているけれど、いずれにせよ、趣味の世界のことなので ある。他人が褒めようが貶そうが、自分が気に入ればそれでいいわけである。本当に好き だったら、関心をもつべきは、自分にとってどういう演奏がいい演奏なのか。そのことをコ レクションを通して、多少の月謝を払ってでも見つけることだろうと私は思う。

コレクションのいろいろ

音楽喫茶などをやっていると、いろいろな音楽ファン、レコードコレクターがやってく る。皆それぞれに個性的でひと癖ある人たちばかりだが、どんな人たちがいるか、これから 始める方々のために、断片的ながらご紹介してみよう。これまでにふれた、いろいろと考え られるコレクションの具体例である。例えば、作品・作曲家にこだわっている人では、モーツァルトの全作品Kの一番から K六二六番までを集めている人。同じくショパン、ディーリアスの全作品を集めた人(実は 私)。マーラー、ブルックナーの交響曲をいろいろな演奏で、という人。ストラヴィンス キー、チャイコフスキー、ドリーブらのバレエ音楽をそろえようという人。室内楽の中から 弦楽四重奏だけを追いかけている人。ロシア音楽なら何でも、という人。ルネッサンス、バ ロック以外は興味がないという人。アルカン、ワーロック、ステン(ンメルなど、知られざ る作曲家の作品を集めている人。宗教音楽なら何でもいい、という人。グリーグ、エル ガー、バラキレフ、デュカス、フィビヒらの珍しい交響曲を集めている人。五曲以上もあ る各種の「アヴェーマリア」を追いかけている人…たち。 一方、演奏・演奏家にこだわっている人では、名指揮者フルトヴェングラー、ワルター、 トスカニーニらのレコードを集めているという人。ブーニン、キーシン、五嶋みどり、諏訪 内晶子といった若手演奏家に夢中な人。モノーラル時代のスター(クライスラー、(イ フェッツ、シゲッティ、カペー、ジンバリストら)にしか興味がないという人。クイケン、 ブリュッヘン、アーノンクール、ホグウッドといった古楽器の演奏家たちを集めているとい う人。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲や交響曲のピアノ版などの、いわゆる変った演 奏を専門に追いかけている人。日本人演奏家のレコードを集めているという人…たち。そのほかに、音質(録音)のよいレコードに特に興味があるという人。アダージョの聴きやすい曲を集めているという人。日常のTPO(時、場所、状況)に合う曲、盤を探しているという人。クリスマス関係の曲、オルゴールによる演奏盤を集めている人たちもい た。あくまでも一例だが、音楽への興味の幅広さを感じてびっくりしたものである。

レコード雑誌とカタログ

さて、ここまでを読んでいただいて「私もひとつ、レコードコレクションを始めてみよう か」と思った人がいたら、具体的に役に立つ情報誌をご紹介しよう。音楽・レコード雑誌と カタログである。 クラシックを好き・になった人が読む雑誌として、現在国内でポピュラーなのは『音楽の 友』『レコード芸術』(音楽之友社刊)、『音楽現代』(芸術現代社)『ショパン』(ショパン 社)などである。このうち特にレコード購入に役立つのは『レコード芸術』誌で、この中に はレコード各社から毎月発売される主なCDについての批評(音楽評論家による)というの が、録音評を含めて紹介されている。無駄をしても自分の耳でとお勧めする私の主張とは矛 盾するようだが、参考になることは確かだから、一度は手にしてみるとよいだろう。読者欄 などには、さまざまなファンの思い入れが感じられてなかなか楽しく、巻末の新譜一覧表は、情報を網羅した実に便利なものである。 しかし、それよりもぜひお勧めしたいのは、発売中のCDがすべてわかるカタログであ る。これには『作曲家別クラシックCD&LD総目録』(音楽之友社刊)があり、年刊で毎 年末に翌年度版が出ている。アルファベット順の作曲家のほか、ジャンル別のオムニバス編 というのもついていて、演奏家によって探すこともでき&総合的なカタログである。また外 国版に興味のある人は、アメリカの『シュワン』、イギリスの『グラモフオン』、フランスの 『ディアパソン』、ドイツの『ビューレフェルダー』などが便利だが、これらについては日 本楽器(ヤマ()や輸入盤専門店などに問い合わせてみるとよいだろう。 カタログは、単に発売されているレコードを一覧できるようにしただけのものだが、見て いると実に楽しい。どんな曲がどのくらい出ているかによって、作曲家や演奏家の人気度が わかるだけでなく、埋もれた作曲家や忘れられていた曲が再発見できたり、レコード会社の 傾向などもわかる。気に入った演奏家の新盤などを発見すると、さてどんな演奏なのだろう と想像したりして、購入前からわくわくとした気分になる。まずは冊そろえてみることか ら始めてみては、いかがであろうか。

セット物企画

レコードを購入しようとする際にはまた、単独のレコードによるか、それとも何枚かをま とめた「セット物企画」によるか、が問題になることもある。例えばベートーヴェンの交響 曲(九曲)を全部そろえてやろう、と考えたとする。有名なので、一曲ごとにいろいろな指 揮者とオーケストラによるレコードが出ており、専門誌などの批評でもそれぞれによしとす る盤は異なっていたりする。その一方では、カラヤンとかワルター、バーンスタインといっ た指揮者による全集物もあれこれと揃っていて、まとめて買うと立派な解説書や収納ケース がついてくる。さてどちらにしたものか、といった場合がある。 こうした企画物は特定の作曲家や演奏家に隕らず、「室内楽大全集」とか「協奏曲全集」 「交響曲全集」「ピアノ曲全集」「セミ・クラシック全集」「声楽全集」といったジャンルや楽 器によってまとめたものまで、気をつけてみるとかなりいろいろなものが出ているのに気づ くだろう。 もちろん、どちらの買い方がいいかは、一概には決められない。面倒を省く点からはセッ ト物がいいだろうが、演奏者は制作上の都合から、当然限られてくる。あれこれと比べたり 集めたりする点では物足りないこともあるだろうし、ドカンとそろえてしまうと、安心感か らか案外聴かなくなることも多い。かといって内容によっては、一枚ずつ集めるのが大変な 「セミ・クラシック全集」のようなものもある。結局どちらによるかは、集めようとするものの内容やコレクターの考え方しだい、ということになるだろう。要はそれらも含めて、コ レクションの全体がどうなるかである。

輸入盤

レコードには国内のメーカーから発売される盤のほかに、外国で製造されたものがそのま ま入ってきた「輸入盤」というのがある。かつては一部マニアにしか相手にされなかった輸 入盤も、最近は自由競争の波に乗って大手外国販売店などが進出してきたせいか、国内盤を 圧倒するほどの勢いのよさ。大都市では、売場面積のかなりの部分を占めている店もよく見 かけるようになった。こうした輸入盤は、コレクターにとってどこが魅力かというと、何よりも珍らしい曲目や 演奏者が聴ける点である。国内盤の場合には、再製造するコスト面から、売れるもの優先で ある。珍しくても売れないと思えば、大抵の場合出さず、知名度や人気のある曲や演奏者に どうしても偏ってしまう。対する輸入盤は、でき上っているものを仕入れるだけ。まとめて 取り寄せるから個々の内容にはこだわらず、比較的自由に何でも扱えるわけである。世界中 が相手であるから、その内容たるや実に幅広く、これまで辞典などでしか知らなかった作曲 家の作品を、実際に聴くことができる、などというのも輸入盤ならではの魅力。しかも円高 や大量仕入によって国内盤よりも安いというのも、近ごろ人気の大きな理由になっている。ただ、さまざまな国・メーカーのものが入り混じっているだけに、中には音質・演奏の点 でがっかりするような盤もときに無くはなく、その点だけは覚悟しておく必要があるかもし れない。それよりも輸入盤の最大の難点は、日本語の解説、いや場合によっては曲目・演奏 者もないことである。だからこれを購入しようという人は、少なくとも作品の原題や作曲者 の原綴りぐらいは読めないと、レコード店へ行った場合にも戸惑う。というわけで、よほど 珍しい曲の場合はともかく、初めてコレクションを始める人は、まあ、国内盤から始めるの が無難かもしれない。

ライブ録音盤

レコード、CDの録音はどこで行なわれるかというと、レコード会社のスタジオが中心に なっている。そのほかに市井のホールや教会などを使うこともあるが、レコードのためだけ を目的としたこうした録音は、一般に「スタジオ録音」と呼ばれている。 これに対し、実際のコンサート会場に録音機材を持ち込み、聴衆の拍手や咳ばらいなども 含めて録音してしまう方法も少数ながらある。いわゆる「ライブ録音」で、この方式によっ て作られたものは「ライブ盤」あるいは「ライブ録音盤」と呼ばれている。 どちらがいいかは、さきの「セット物企画」同様、一長一短があって好みは分かれる。音 質的にはスタジオ録音の方が鮮明であり聴きやすく、演奏ミスや雑音などもすべて修正され カットされている。ところが、レコードーファンの中にはそうした加工された演奏や録音は 非現実的でおもしろくない。ミスも雑音も含めて演奏会そのものを素直に記録したレコード の方がどれだけ人間的で魅力的かと、ライブ録音の方を好む人も結構いるようである。実 際、演奏家の中にもフルトヴェングラーやチェリビダッケ(往年の名指揮者)のようにレ コード録音を極端にきらった人もいたから、これはこれで筋が通っているのは確かである。 ライブ盤の魅力は、まさに一回限りのスリルと興奮。演奏者のノリや緊張感を、さながら そこにいた気分で聴ける。その意味では拍手も雑音も、むしろ入っていた方が望ましい。全 体からすれば僅かではあるけれど、こういうレコードも興味をもったなら、一度は聴いてみ てもよいのではなかろうか。見つけるのは簡単である。カタログに「○○ホールの」と か「○○ホールーコンサート」といったタイトルがあったら、それがライブ盤である。

思いたったらすぐに買うこと

レコードーコレクションについて、思いつくままあれこれと書いてみたが、ほかにも居な がらにまとめてセット物が届く「通信販売レコード」のこと、大指揮者たちの練習風景を録音した「リハーサル盤」のこと、名曲のさわりだけを収めた「カタログーレコード」のこと、中古レコード、珍品レコードのこと…など、レコードをめぐる話題はいくらもある。 これらについては、いずれコレクションが進めばだれでも自然と知ることになるだろう。 ともあれ、音楽の世界がそうであるように、レコードの世界も驚くほど幅広い。何を望み 何を求めても、よく探せば大抵のものが見つかるようになっている。その過程を楽しみ、所 有し聴くことを楽しむためには、やはり好奇心を広げ、近づいて探し、それがある生活や作 曲家たちのことを想うその意欲と姿勢が大事ではなかろうか。 最後にもう一つ、コレクションを進める際に覚えておきたいのは、これぞと思う盤を 見つけたら、すぐに購入したほうがいいということである。「いずれそのうちに」とか 「再生装置を新調してから」などとやっていると、いつの間にか無くなってしまう。入 手できなくなる。そういうことが実に多いのである。これは何といっても種類が多く、その わりには製造枚数や輸入枚数がパラパラで、営業的なフォローが難かしいことから来てい る。特にマニア的な地味な内容のもの、知名度のない曲目・演奏者に興味をもった場合に は、このことは必らず思い出していただくとよいと思う。
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