コンサート・マスターの条件
コンサート・マスターには、演奏家としてのずば抜けたテクニックと、行楽八二対する卓越した感性が不可欠なのはもちろん、人格的にも優れていることが
要求されます。
その理由のひとつは、指軍者とオーケストラの関係が、いつも上手くいくとは限らないため、指揮者という人種は一癖も二癖もあるワンマンが多いからです。オーケストラの面会が、いたずらに罵倒され、意にそぐわない解釈の演奏を要求されて意気阻喪するときも、コンサート・マスターだけは、ふてくされず、楽団員すべての演奏に対して責任を負わなくてはなりません。たとえば、イメージのみで押しまくる指軍者の場合、その曖昧模糊たるメッセージを、演奏というかたちで具体化し、自らの指と弓で後ろに控える100人もの楽団員に手本として示してみせる器量が必要なのです。演奏する曲が決まったその日から、楽譜を予習し、曲の構成をリハーサルの前までに理解しておき、実際の演奏で威厳を示し、楽団員と観客日附軍者の尊敬を勝ちとる。凄いですね。